« 2010年7月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月の1件の記事

2010年9月24日 (金)

田中奈保美著「枯れるように死にたい」新潮社刊 1500円

Eさま、お知らせありがとう。
おかげさまで、「老衰死」ができないわけがよくわかりました。と同時にぼんやりせずに予備知識を持っていないとひどい目にあわされるということも。
図書館にリクエストしていたのが届いて、半分読んだところでBストアに1册注文しました。いろんな人に貸してあげたくなったので。

「胃漏(イロウ)」が老衰死を妨げる延命措置となることが多いのだということもよく理解できました。

最近介護経験者のグループと親しくしているのですが、
「いまに食べられなくなったらイロウをするのよ。胃に穴を開けて流動食を送り込むの。案外痛くないのよ」
とまるでそれが当たり前のことのようにいろいろな人から聞いていました。
ひどいことをするとは思っていたのですが、あやうく当然のこととして受け入れるよう洗脳されるところでした。
施設に入所している場合には、家族に相談もせず勝手にイロウにされてしまうこともあるなんて想像もしていませんでした。恐ろしいことが行われているのですね。

ただ、今tomo母がデイサービスとショートスティでお世話になっているS苑では多分そのような心配はないでしょう。
S苑には数百人の入所者がいるのに昼食時に車椅子のままなのは3・4人しかいませんでした。

S苑では車椅子を移動の手段と位置づけています。つまり、車椅子はかけ心地が悪いので、一日中座っていてよい椅子とは認めていないわけ。テーブルの回りにいるときは普通の椅子に掛けさせてもらえるのです。

ある「リハビリで評判のよい」老人保健施設の見学に弟と行ったことがありますが、なんとそこでは全員が車椅子!テーブルの廻りには普通の椅子が1脚もなく、ボランティアのような人が何人か来ていたのですが、椅子がないのでその人達は全員立ったまま!
案内してくれた職員の人はその異常な状態になんの疑問も持っていない様子でした。あまりのことにあきれてしまって、さーっと館内を案内してもらって、特に質問などは何もせず草々に退散しました。
その施設は少々遠かったのですが、よいリハビリをしてもらえるなら母にショートスティに行ってもらおうかしらと思っていたのにびっくりでした。

母がお世話になっているS苑は、そんなわけで、標榜していることがほんとかしらとその後ケアマネージャーさんと一緒の見学の機会があったとき、車椅子の人に注目していたのでした。よいケアをしてもらっているようなので、ここには、今年はじめに入所の申込もしました。順番待ちなのでまだずっと先かもしれないし、運良く最後まで自宅にいられるかもしれませんが、念のためターミナルケアはどうしているかなども含めてそのうちよく話を聞いてみようと思っています。

母は今のところ、デイサービスとショートスティを半々ぐらいに使ってなんとか在宅できており、食事も普通にしています。
ただ、変形性膝関節症の末期なので歩行はたいへん困難。
全員車椅子の施設を見学した頃と違って、リハビリでなんとか歩行を改善させようという考えは今では私の頭にはひとかけらも存在しません。
それでも、もう無理なのかも知れないと思いながらも、両手に4点杖を持って自力で歩いてもらっていたら、だんだん歩き方が上手になってきました。
超スローですが、安定しているので私はそばにいるだけで母の体にはどこも触らず見ているだけ。
最近では、人出をたくさん借り、そのほかいろいろ手抜きもするようになり、母との同居がずいぶんラクになりました。

よい本を書いてくださったと、著者の田中奈保美さんにはほんとうに感謝です。

そういえば、老衰ってどういうものなのかも私にはまったく知識がありませんでした。だいたい人が死ぬときどうなるかということも知らなかったと気が付きました。いろいろ調べようとただいま資料集め中よ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年7月 | トップページ | 2010年10月 »